TAの集い:レポート

30年度
掲載日2019.7.24

集い「関西衣料管理士の集い」勉強会

日 時
2019年2月27日(水)18:30~20:00
会 場
大阪工業大学 梅田キャンパス 3F 会議室301・302
テーマ
環境・安全面から見た、繊維業界のこれからの課題
講 師
日本繊維産業連盟 環境・安全委員会 
主査  長 保幸氏

〔概 要〕
国際機関であるOECD(経済協力開発機構)が示す衣料品と靴のガイダンスの内容をご紹介いただき、また2030年まで持続可能な17項目の国際目標となる『SDGs』についてのお話をお聞きました。
その中で特に印象に残ったのは12番目の【つくる責任、つかう責任】というものです。つくる側は限られた資源をどのように使っていくのか、製品を回収しリサイクルするなど循環リサイクルを回していくという拡大製造者責任を認識するということ。つかう側は購買者として何を選ぶかを考えるということです。購入時にどのように作られた製品なのか、廃棄時はどのような方法があるのか、古着回収のリサイクル活動に参加するなど製品を手にしてからのことを考えるきっかけになりました。

掲載日2019.2.6

集い「関西衣料管理士の集い」勉強会

日 時
2019年1月15日火曜日 18:30~20:00
会 場
関西大学 梅田キャンパス 7F
テーマ
フォーマルウエアについて
講 師
株式会社 東京ソワール 
総合企画室 FA支援グループ長 高木 雄子 様

〔概 要〕
日本での洋装フォーマルウエアを確立された東京ソワールでフォーマルアドバイザー(FA)の研修などもご担当されておられる高木様にご講義いただきました。
ご講義はじめからフォーマルにまつわるQ&Aの出題があり、思い思いに答えていき『正解は講義の最後にわかります』と謎解きゲームさながらとなりました。
フォーマルウエアの歴史、着物文化であった日本でのフォーマル、皇室のフォーマル、現代のドレスコードなどについて身近なニュース映像なども交えて大変わかりやすく教えていただきました。
またフォーマルにおける都市伝説の数々にも目からうろこでした。
フォーマルと接する機会が少なく母などから口伝で伝えられていたり、インターネットでの検索で多くの情報を簡単に入手できますが、根本的な理解が乏しかったのだと痛感しました。
ノーベル賞や勲章・褒章の授与式におけるその後のパーティーや祝賀会などでの女性の装いについてとても興味深いお話が聞けました。
今後もTPOを考慮し、自分の気持ちが表現できる装いを目指したいと思います。

掲載日2019.2.6

集い「関東衣料管理士の集い」勉強会

日 時
2018年12月4日(火)
テーマ
歴史に見るラグジュアリー・ブランドの事業継承
講 師
実践女子大学 准教授 大川 知子氏

〔概 要〕
今回は、「歴史に見るラグジュアリー・ブランドの事業継承」というテーマで実践女子大学の大川先生にご講演いただきました。
世界のファッションを創造、牽引しているフランスにおけるラグジュアリー・ブランドの中で、オートクチュールを中心に継続的な発展を遂げてきたChanelとYves Saint Laurentの創業から現代の企業価値、デザイナーの生涯や事業展開などについて幅広くご説明いただきました。誰もがその名を知っているChanelやYves Saint Laurentのデザイナーの生い立ちや、ロゴモチーフなどについて歴史的背景を交えてお話いただきました。今では婦人服にも一般的に用いられているジャージーやツィードもChanelが男性用の生地を女性の服へ転用したことがきっかけであることなど大変興味深く聞くことができました。いつもの勉強会とは趣向が異なるテーマでしたが、ラグジュアリー・ブランドが現代もその価値を創造し続けることの苦労や重要性を知ることができ、とても勉強になりました。大川先生の知識の深さに感動し、あっという間に講演の時間が過ぎてしました。また、ChanelやYves Saint Laurent以外のブランドについてもお話を聞きたいと感じました。

掲載日2018.12.27

集い「関西衣料管理士の集い」見学会

日 時
2018年10 月30 日(火) 14:00 ~17:10
見学先
一般財団法人ボーケン品質評価機構 大阪事業所

〔概 要〕
今回の見学会では、大阪市内の3拠点を集約し、2018年5月に新設・移転された大阪新本部ビルにお伺いし、繊維試験を中心としたA棟、非繊維試験を中心としたB棟を見学させていただきました。
まず、見学に先立ち、市場でよく見かける機能性素材の評価・試験についてセミナーを行っていただきました。最近では様々な機能性を謳った商品が市場に出回っていますが、試験方法や評価基準が規格化されていないものも多く、改めて評価の難しさを感じました。 見学会では、各部門の担当者の方々にご説明いただき、染色堅牢度や物性試験、生活産業用の資材や微生物、化学分析、機能性と、実際に動いている試験機を間近で見させていただきました。
特に、繊維関連の検査室では、作業の動線を考慮し、コンパクトでありながら働きやすそうな配置が印象的でした。
ボーケン品質評価機構の皆様には、お忙しい中ご丁寧にご説明していただき、感謝申し上げます。

掲載日2018.12.27

集い「関東衣料管理士の集い」勉強会

日 時
2018年10月26日(金)18:30~20:30
テーマ
「フォーマルウエアについて」
講 師
株式会社 東京ソワール 
総合企画室 FA支援グループ長  高木 雄子 氏

〔概 要〕
今回は「フォーマルウエアについて」と題し、株式会社東京ソワール 総合企画室の高木雄子様を講師にお迎えし、フォーマルウエアの基礎知識や正しい着こなし、フォーマルの歴史などについてご講演いただきました。
 日本におけるフォーマルシーンでの装いは、1960年代に洋服が一般化するのに伴って、和装から洋装にシフトし、その歴史の中で、日本人は独自の装いのルールやマナーを作り上げてきました。
ドレスコードとは、場に応じて求められる装いのマナーであり、TPO(Time=時間/Place=場所/Occasion=立場)によって異なります。混同しがちなフォーマルの格式や昼夜の装いの違い、日本と欧米のドレスコードの違い、失敗しないブラックフォーマルのポイントなどについて、実際のフォーマルシーンの画像などを交えながら、解りやすく解説していただきました。
フォーマルウエアは普段馴染みがない分、いざその機会が巡ってきた際に、何を着るべきか悩んだり、慌ててお店に駆け込んだりした経験をお持ちの方も多いと思います。社会人として知っているべき常識の1つでありながら、なかなか学ぶ機会がなかったフォーマルについて知ることができ、非常に勉強になりました。

掲載日2018.12.27

衣料管理士の集い・TES会中部支部合同勉強会

日 時
2018年9月22日(土)12:00~17:00
テーマ
① CSR体制の構築について―持続性のある工場施策―
 講師:株式会社オンワードクオリティセンター 山下 隆 氏
②服育―衣服の力を生きる力に―
 講師:株式会社チクマ 有吉 直美 氏
③大規模災害時の「衣」の支援
 講師:株式会社TOSEI 須田 雅太郎 氏

〔概 要〕
今回は初めての取り組みとして、衣料管理士の集いとTES会中部支部との合同勉強会を 開催した。
講演のテーマはいずれも、繊維製品や衣料品を扱う業界としては知識や情報として興味深いものになった。
テーマ①は国際社会における日本企業や日本人としての倫理観、コンプライアンス意識の程度を問われるものであり、今まではこうだったから問題ない、というような認識ではなく、お互いの人権や適性な就労環境などを構築していくことが求められる時代に既になっているということを強く意識させられた。
そのためにどのような取り組みがなされているのか、日本企業としてのCSR監査の方向性など、これからますます注目していきたいと感じた。
テーマ②は「服育」というまだあまり耳なじみのないものであったが、こちらについても衣服に対する倫理観について考えさせられる内容であった。
衣服の現状は97%を超える輸入率、リサイクルなど3Rへの低い認識、家庭科授業の減少など様々な状況によって衣服や衣服環境に対する消費者の意識は低くなっている。
そういった状況を改善するため、様々な手法で「服育」活動があることを初めて知ることができた貴重な内容だった。
テーマ③は東日本大震災で、当時「洗濯」の支援を通じて見ることになった様々な現実や問題、障害などについてお話しして頂いた。
衛生環境の悪さ、支援物資の不親切さなどその現場にいなければ分からない貴重な体験談であったり、今後自分が体験するかもしれない災害への準備や対策をどうするのがいいのか、パネルディスカッションによるパネリストさん達の体験や意見を聞くことができたのは貴重な機会であったと思う。
東日本大震災以後、日本は災害が増えており、各地で避難生活をしている人達に対してできることであったり、自分自身備えておくべきことなどを考える必要性を感じた。

掲載日2018.10.3

集い「関西衣料管理士の集い」見学会

日 時
2018年7月20日木曜日 13:30~15:30
見学先
デサントアパレル株式会社
吉野工場 奈良県吉野郡大淀町福神3-31
テーマ
移転新工場の見学
講 師
デサントアパレル株式会社
 代表取締役社長 津村様
 取締役 吉野工場長 林 様
株式会社デサント
 R&Dセンター機能・品質開発課 清嶋 様

〔概 要〕
東京オリンピックまであと2年、高校野球の地方大会が行われる最中、スポーツアパレルの生産をされているデサントアパレル株式会社吉野工場の見学をさせていただきました。 様々な業界の国内工場が閉鎖されている昨今、吉野工場は新築移転をしたということで注目されました。
吉野工場ではアスレチック部門、スイム部門、機能ウェアなどを生産しており、中でもチームウェアのクイックレスポンスに対応できるのが特徴です。
製造はパターン作成、裁断縫製、検品出荷まで担われ、作業効率を高めるためにミシンや裁断機を開発特注もされています。今回の見学でも開発特注された裁断機が稼働しているところも見学でき、参加者からも驚きの声があがっていました。設置されているミシンも様々な種類が200台以上とある中、従業員の平均年齢は36.6歳ととても若いと思いますが縫製機械整備士などの有資格者もおられ、技術の伝承もしっかり行われていると感じました。
移転に伴い新たに刺繍の機械も導入され、さらに顧客満足、短納期を目指し進化され工場の持ち味を存分に発揮するという信念が感じられる工場でした。
パンパシフィック水泳でも記録が出ており、ウェアに関っていらっしゃると思うと選手の皆さんの活躍をサポートされている方々と交流が持て光栄に思いました。

掲載日2018.10.01

集い「関東衣料管理士の集い」勉強会

日 時
平成30年6月5日(火)18:30~20:30
テーマ
「獣毛について」
講 師
一般財団法人 ケケン試験認証センター
獣毛総合研究所 所長 丸茂征也氏 

〔概 要〕
 高級感があり保温性に富む獣毛は冬には欠かせない素材であること、主に毛皮に使用されているキツネやタヌキも近年は繊維製品にも使用されていることなどから、『獣毛について』というテーマで御講演頂きました。
 獣毛についての解説では「太さによる風合いの差」「整毛前後の状態」「アルパカの天然色」について実際に試料を見せて頂き、手で触れて確認することが出来たので理解が深まりました。また、キツネやタヌキは毛皮の副産物とのことでした。
更に、砂漠化、放牧の後継者不足、飼育頭数制限からカシミヤ山羊の大型化が行われており、それに伴い繊度が太くなってきていること、繊度が太くなったことでベビーアルパカの需要が出てきたことなど、原料産地の現状についても詳しくご説明頂きました。
 獣毛の混用率試験については、各段階での混用率試験の必要性、混用率試験には光学顕微鏡法、走査電子顕微鏡法、DNA分析法、質量分析によるタンパク分析の方法があり、その内の以前から行われている光学顕微鏡法とその他の試験を組み合わせる事でより精度が上がること、混血種を見極めることの難しさなど、実際に体験されているからこそというお話をうかがうことが出来ました。  今回は毛を採取している動物の現状から、表示、鑑定方法など多岐にわたってお話しをうかがうことが出来、とても有意義な勉強会となりました。

掲載日2018.6.4

集い「関東衣料管理士の集い」勉強会

日 時
平成30年5月9日(水) 18:30~20:30
場 所
南部労政会館 第5会議室
テーマ
アパレルの品質管理
講 師
株式会社バロックジャパンリミテッド 生産本部 品質管理部 部長 浜崎 正雄氏

〔概 要〕
 今回は多岐に渡るブランド・商品を展開されている㈱バロックジャパンリミテッドでの品質管理について講演していただきました。
 2011年以降、品質管理をより厳格にするためのマニュアル化を行い、納期、コストを優先しがちなアパレル業界の中で品質管理の目的を明確にし、年間15,000品番程の全ての商品を品質管理部の5名で徹底した安全・品質管理に取り組まれています。
 事前試験率は100%、徹底した安全・品質管理を行う為に仕入先登録制度を設ける事で、納入前の全量検品での初回不良率及び店舗不良率の年間目標を達成されているそうです。
 針管理についても、社内での針の使用は技術課(パタンナー)のみ使用許可し、シルクピンであってもその日に使用した数量と戻した数量を一致させており、店頭での裾上げ等にはクリップを使用し、店頭に一切の針を持ち込まない、また、納入前検針は2回行うという管理方法を採用されています。
 私達消費者が安心して購入できる商品を世の中に出す為の並々ならぬ企業努力と徹底した品質管理をされていることに敬服いたしました。参加者の方々からも多くの質問があがり、ひとつひとつ丁寧に回答いただき、とても有意義な勉強会になりました。

掲載日2018.6.4

集い「関西衣料管理士の集い」勉強会

日 時
2018年4月24日火曜日 18:30~20:00
会 場
関西大学 梅田キャンパス 7F
テーマ
上手な洗濯で快適生活
講 師
ライオン株式会社
快適生活研究所 副主席研究員 お洗濯マイスター 山縣 義文 様

〔概 要〕
 今回はメディアにも登場されているお洗濯マイスター山縣さんに、実験を交えてご講義いただきました。
 洗剤成分についての実験では浸透・乳化・分散・再付着防止作用についてとてもわかりやすく教えていただきました。
 一昨年に洗濯については取扱表示が変わり、消費者の混乱が起きるのではないかというアパレル業界の懸念がありました。
 それについて企業アンケートをとっておられ、結果の一部を聞き、唖然としました。取扱表示を理解しているのは消費者の1割にも満たないということです。 それにもかかわらず大きな混乱や事故の発生につながっていない現状を思うと、複雑な気分です。
 また洗濯の目的である汚れをしっかり落とすコツについて、目からうろこの実験を見せていただきました。諦めていた経年の黄ばみや油性ペンのインク汚れ、襟袖の皮脂よごれなどコツをつかんで翌シーズンの着用まで箪笥に仕舞い込む前に綺麗にお洗濯しておきたいものです。