TAの集い:レポート

28年度
掲載日2017.3.18

集い 「関東衣料管理士の集い」勉強会

日 時
平成29年3月9日(木)18:30~20:30
テーマ
羽毛の基礎知識
講 師
西川産業株式会社
営業統括本部 品質管理室 斉藤幸子氏

〔概 要〕
「羽毛の基礎知識」…羽毛原料の基本、羽毛製品のクレーム事例と対処方法羽毛製品の取扱い方というテーマでご講演頂きました。
原料では、グースとダックは鳥自体の大きさが違うこと、鳥の種類によって羽枝の三角節の大きさや並び方が異なり、それが羽毛同士の絡み易さや嵩高性の違いに影響していることなど、詳しいお話を伺えました。また、希少価値の高いアイダーダックダウンについては、実際に羽毛の試料を見せて頂き、手で持ってみる体験も出来ました。
品質については評価項目や基準値以外に、洗浄前後の羽毛の嵩高性の違いを実際の試料を見せて頂き確認する事が出来ました。
更にクレーム事例では羽毛の吹き出しや臭いなど、衣料品にも共通の事例であり、それらの対処方法はとても勉強になりました。
また、西川産業㈱様では、羽毛製品の素材特性や取扱い方法が記載されている「Down Passport」を羽毛製品に添付して販売されており、お客様に対する対応についてもとても参考になりました。

掲載日2017.3.7

集い 「中部衣料管理士の集い」勉強会

日 時
平成29年2月10日(金)18:30~20:30
会 場
一般財団法人 ボーケン品質評価機構 名古屋事業所
テーマ
繊維製品による皮膚障害について
 ~繊維加工剤、界面活性剤の安全性について~
講 師
独立行政法人製品評価技術基盤機構 
バイオテクノロジーセンター安全・解析課 課長 佐々木 和実 氏

〔概 要〕
今回は繊維製品でも様々な場面で使用される界面活性剤に起因して発生した事故や、化学物質により発生する事故の分類、その仕組みなどについて詳しくお話して頂きました。
ある場面では安全性が確認されている物質でも使用方法や環境などの異なる条件下においては想定していなかった事故が発生することもあるようです。
だからといって全てを管理、規制することは困難であり、いろいろな課題があるように感じました。
参加者からの様々な質問にもお話しくださり、非常に活発な勉強会となりました。

掲載日2017.3.6

集い 「関西衣料管理士の集い」勉強会

日 時
2017年2月16日木曜日 18:30~20:00
会 場
梅田阪急ターミナルビル 17階 阪急ターミナルスクエア・17 ゆりの間
テーマ
アパレルの品質管理
講 師
株式会社バロックリミテッドジャパン
生産本部 品質管理部 シニアマネージャー 斉藤陽子氏

〔概 要〕
今回はアパレルメーカーの品質管理について講演して頂きました。
斉藤様はアパレル業界の色々な分野をご経験された後、現職に就かれ講演内容が多岐にわたりとても引き込まれました。
お勤め先の株式会社バロックリミテッドジャパンは渋谷のファッションビル『109』より注目を集めたブランドより国内のみではなく海外も含めた14ブランド500店舗以上を展開しておられます。
取扱商品は家具・化粧品なども含め電化製品以外とのこと。
しかも海外販売分も含め16,000品番ほどの全てのアイテムを品質管理部8名でチェックされているとの内容にとても驚きました。
品質管理部の商品とのかかわりとしては企画時の素材の相談、商標権や法律のチェック、生産から検品・販売に至るまで多岐に渡り、リコールの発生などを教訓とされ独自の生産業務基本マニュアルを構築されておられます。
品質管理として心がけておられるのは品質とファッション性を兼ね備えお客様の支持・満足を得ること、基準に満たないものをどう生かすことが出来るか、情報共有などで次につながるアクションをとるということ念頭におかれているとのことでした。
店頭に商品が並ぶまでがわかり、消費者として安心を感じるとともに今後の商品にも期待したいと思いました。

掲載日2016.11.11

集い 3支部合同見学会

日 時
2016年10月20日 13:30~16:45
テーマ
場 所
『ファッション教育について学ぼう』
文化学園

〔概 要〕
 今回は、『ファッション教育について学ぼう』をテーマに、文化学園様にご協力いただき、学園内の施設を見学しました。
 ファッションリソースセンターは、様々なファッション情報を収集・提供する施設で、多数の生地を保有するテキスタイル資料室、コレクション等の映像資料やデータベースを保有・提供する映像資料室、ショー作品等のコスチュームを保有するコスチューム資料室を見学しました。
講演では、国際ファッション産学推進機構 機構長である川合 直氏に「文化学園における産学共同事業について」機構設立の背景から官公庁を含めた産官学一体となった現在の取り組みについて幅広くお話いただきました。
 続いて見学した人間工学・温熱生理の視点から衣服の快適性や機能性を研究している実験室ではサーマルマネキン、三次元人体計測装置など様々な機器を用いての研究や、スポーツウェア・ユニフォーム等企業との共同開発も行っているそうです。
 大学附属の服飾博物館では、「衣」を通して日本と世界の文化を知ることをテーマに所蔵品を中心とした企画展を行っています。今回は開催中の企画展「日本と洋服の150年」を見学しました。
生産工学実習室は、実際の生産工場と同等の設備を有する実習室で、スポンジング機・自動裁断機・ローラープレス機・各種ミシンが揃っていて学生の授業に活用されているそうです。
 大学を見学する機会はあまりなかったので、どの施設においても貴重な資料や設備の数々に圧倒されました。ファッション産業で活躍できる人材育成に学園全体で取り組まれていることが感じられ、とても充実した見学会となりました。

掲載日2016.10.11

集い 「関東衣料管理士の集い」勉強会

日 時
平成28年9月30日(金)18:30~20:30
テーマ
顔料捺染プリントの基礎知識
講 師
大日精化工業株式会社
化成品事業部 技術統括部 大阪応用技術部 技術課 関口 秀人 様
参加者
33名

〔概 要〕
 9月の衣料管理士の集いでは、衣料用プリントに使用する顔料捺染用の着色剤や固着剤、また、繊維用原液着色剤などの製造・販売を行っている大日精化工業の技術課から関口様を講師にお迎えし、顔料捺染プリントの基礎知識についてご講演をいただきました。ご講演では、染料と顔料の違い、顔料捺染剤の構成材料からプリントの手法・種類まで、基本となる内容を実際のプリント見本を交えてご丁寧にお話いただきました。
 お話の中では、顔料プリントは、耐光性・耐熱性があるということ、ドライクリーニング(石油系)が可能なものもたくさんあるということ、また、特定芳香族アミンへの対応など、川下ではあまり聞ける機会のない内容を勉強することが出来ました。
 衣料品にはプリントが施されている商品が多々ありますが、そのプリントに使用される顔料については知らない事が多いということを実感する貴重な時間となりました。

掲載日2016.9.8

集い 「関西衣料管理士の集い」見学会

日 時
平成28年8月26日(金) 13:30~16:30
見学先
株式会社ホームドライ 弥栄台商品センター
テーマ
クリーニングの基礎知識
講 師
株式会社ホームドライ 常務取締役 太白守貞氏
株式会社TOSEI 開発本部 技術統括部 開発技術1部 洗機開発課 主任 須田雅太郎氏

〔概 要〕
 今年12月から新たに取扱表示に加わるウェットクリーニングをはじめ、基礎的なクリーニング工程について勉強し、工場見学をさせていただきました。
 クリーニング屋さんでの工程は3種あり、ワイシャツなど高温水洗いが可能なものに対するランドリー、有機溶剤を用いたドライクリーニング、特殊な技術を用いた水洗いのウェットクリーニングがあるということを認識しました。
ウェットクリーニングのポイントとなる家庭では難しい仕上げ工程の説明では、プロならではの手さばきと道具の数々を実際に見せていただきました。
 染み抜き工程では、汚れの落としのメカニズムを勉強し機器を使用して実際に染み抜きを行い、実験によってドライクリーニングとウェットクリーニングの違いを目の当たりにするなど体感させていただいた見学会となりました。

掲載日2016.8.22

集い 「関東衣料管理士の集い」見学会

日 時
平成28年7月22日(金)
テーマ
繊維製品による皮膚障害やアレルギーについて
講 師
独立行政法人製品評価技術基盤機構
バイオテクノロジーセンター安全・解析課 佐々木 和実氏

〔概 要〕
 アレルギー反応の種類・メカニズム、原因化学物質の特徴や事故事例などをご説明いただきました。
 ご紹介いただいた事故事例の中では衣料用ではない化学物質が衣料品に使われた為に起きた例や、衣料品以外で原因物質となった染料が衣料品に使用される可能性があることなどが興味深いお話でした。異分野の情報にも注意することが大切だとわかりました。
 現在特定の染料を使用しない製品にマークを表示する制度や、またISOのガイドラインを社内規格に盛り込む動きもあるそうです。今後は品質管理の重要な要素のひとつになると感じました。

掲載日2016.6.17

集い 「関東衣料管理士の集い」見学会

日 時
平成28年6月15日 13:00~15:00/15:00~17:00
見学先
株式会社 持田プリーツワークス
テーマ
プリーツ加工工場見学

〔概 要〕
 スカートやワンピースなどのボトム類、婦人ブラウス類のプリーツ加工を行っている株式会社持田プリーツワークス様に伺いました。プリーツ加工に必要な型紙の作成から、ボイラー施設を使用した手作業による加工や、機械による乾熱加工、また縫製作業までを見学させていただきました。5㎝前後の幅の大きなプリーツから、わずか1.5㎜幅の細かいプリーツ、さらには波型のものや、プリーツをタテ方向からかけた後ヨコ方向からもかけるという複雑なプリーツまで、幅広い形状や素材に対応し、布地に様々な表情を生み出すことができる技術に驚きました。ハンドプリーツ・機械プリーツそれぞれに特徴があり、熟練した技術の数々に感嘆の声が上がりました。同社では学生服のプリーツスカートの縫製も行っており、それぞれにサイズの異なるものを大量に生産することの難しさなど、学生服ならではの事情もお話しいただきました。プリーツ加工に関する品質管理やクリーニングに関する質問にも熱心にお答えいただき、また、参加者同士で企業によってどのようなプリーツ耐久性試験を行っているのかなど、情報交換もすることができ大変有意義な見学会となりました。

掲載日2016.6.17

集い 「関西衣料管理士の集い」勉強会

日 時
平成28年5月27日(金)18:30~20:00
場 所
阪急ターミナルスクエア・17 ゆりの間
テーマ
酸素系漂白剤について
講 師
花王株式会社 開発研究第2セクター ハウスホールド研究所 主任研究員 野村昌史氏

〔概 要〕
 今年12月に切り替わる取扱表示において、今まで表示のなかった酸素系漂白剤について勉強しました。漂白剤の種類やその成分の違い、化学式を用いた漂白のメカニズムの説明、漂白剤の市場規模や消費者の使用目的のまとめ、衣料用漂白剤の衣類への影響について強度低下や変退色・トラブル事例など多くの資料を見せていただきました。
 今まで深く考えたことのなかった『漂白』という作用を化学式での説明に、「なるほどな」と思う部分が多くありました。正しい使い方をすれば衣類に大きな問題が出ないということ、金属成分の有無により衣類に影響が出る可能性があることなどがわかりました。
 海外のISO表示の漂白剤×の表示を日本のJIS表示にする際、エンソサラシ×と表示されているそうで、これによるトラブルが多いということ。『JIS L 0001の規定により酸素系漂白剤使用と漂白剤使用不可の区別がなされ、トラブルが減少することを望む』という講師の方の言葉に、新しい取扱表示の消費者への説明と理解の重要性を感じました。

掲載日2016.6.17

集い 「関東衣料管理士の集い」勉強会

日 時
平成28年5月20日(金) 18:30~20:30
場 所
南部労政会館 第六会議室
テーマ
靴下の基礎知識
講 師
岡本株式会社 品質保証室 室長 上田 良行氏

〔内 容〕
 普段何気なく着用している靴下ですが、意外と知らない生産工程、品質管理、靴下業界の現状等についてわかりやすくご講義いただきました。
 5世紀頃には襪(しとうず)という日本最古の靴下が渡来し、室町時代には足袋が発達、江戸時代には徳川光圀公がメリヤス足袋を着用し、足の血流を良くし足が軽くなるようにとの目的で「脚絆」という着圧靴下の原型とも言えるようなものもあり、その後、今のような靴下に進化したという古い歴史に驚きました。
 靴下の製造販売に長い歴史を持ち、靴下の「科学」を通して、健康と美を追求し、機能性ソックスの開発に取り組まれているという事で、靴下の素材・編機の開発だけでなく、人間工学や人体科学の研究、肌の評価方法等についてもご講義いただきました。
また、たくさんのサンプルを実際に手に取り、肌で感じる事もでき、とても有意義な勉強会になりました。