〔内 容〕
平成28年12月1日より施行される取扱い表示記号について、お話を伺いました。
JIS L 0001制定の背景、JIS L 0217とJIS L 0001との変更・追加点などをご説明いただきました。また、表示責任者として取扱い表示を決めるうえでの注意点等も教えていただきました。
表示記号が国際的に統一され、種類も増えたことにより、利便性が向上しますが、まずは正しく理解しなければなりません。今回のお話で基本的なことが分かりましたので、更に勉強し施行までに準備をしたいと思いました。
〔内 容〕
古くから行われている加工にも関わらず、パイルの種類や加工方法等の情報が少なく、販売の現場やエンドユーザーである消費者への情報発信も不十分なフロック加工。「こんな近くで加工を見学できるとは!」という驚きと「加工の現場が見られる!」という期待を胸に、プリント植毛のトップメーカーである京都パイル繊維工業株式会社様に伺いました。
見学では、まず、カットしたパイルの状態で染色することに驚き、バインダーがローラー捺染され、パイルを振りかけた後、余分なパイルを吸い上げ、仮乾燥までの一連の工程には全員が見入っていました。
次のサンプルルームでは、レース生地全面に加工されたもの、フロッキー加工後に捺染されカラフルなもの、玉虫色に変化するものなどバリエーションの豊富さに驚かされました。
最後の質疑応答では、やはり事故事例や染色堅牢度、耐久性などに質問が集中しましたが、衣料用はレーヨンパイルが主体であることや加工方法からは、やはり取扱いには注意が必要であることを理解することができました。見学中から質問が相次ぎ、とても活発な見学会でした。
〔内 容〕
今回は、靴下製造販売に長い歴史を持ち、機能性ソックスの開発で知られる岡本株式会社様での見学会です。
まず、工場で編み立てから加工までを見学させて頂きました。工場内は清掃が行き届いており、編立しながらつま先部分の縫製も行える機械にはとても驚きました。
靴下や足の基礎研究部門である R&Dの環境試験室では、計測項目や「かかとのかさつき」などについて説明を伺い、靴下工房では、靴下技術の持続・進化のために収集している貴重な編み機の見学と実演をして頂きました。工場で稼動している編み機とは違い、じっくり編み方を見ることができ、理解が深まりました。
最後に、「靴下の基礎知識」として、靴下の歴史や機能性靴下、手紡ぎ糸を使用した「あしごろも」など特徴ある靴下についてご講義を頂きました。
毎日のように身に付けるアイテムでありながら、意外と知らない靴下の知識を深めることができ、充実した見学会でした。
〔内 容〕
今回は、薬機法の基礎知識をテーマに株式会社三越伊勢丹ホールディングスの織茂氏にお話しを伺いました。薬機法の目的から規制対象、昨年の改正内容、また、広告の規制については過去の事故事例も合わせてご説明いただき、大変興味深く聞くことができました。商品だけでなく、ホームページや店頭POP、口頭説明においても誤った表現をしていた場合、法律違反となるので得た知識を活用して、各自が薬機法に対する意識を高めていくことが重要とのことでした。近年、衣料品においても多様な訴求を標榜しているので、表示内容をよく確認するなど、今回のお話を今後の業務に役立てたいと思います。
〔内 容〕
皮革の特徴やお手入れの重要性は理解しているものの、「詳しいお手入れ方法が分からない」「皮革衣料のお手入れは何をしたらいいのかしら?」といった疑問を解決するために、株式会社R&Dの静様からお話を伺いました。
「革にとって水は重要」という意外なお話からスタート。「革にとって水は禁物」と言われていますが、革の製造工程では水を使っており、適度な水分補給がないと革が乾燥して硬くなるとのこと。また、お手入れをするときれいになるだけではなく、「革が強くなる」、起毛革は傷をつけているような作り方だから「傷に強い」といった目から鱗の話が盛りだくさんでした。
実際のお手入れ用品を使って靴のお手入れを見せて頂いた後は、参加者の革製品を実際にお手入れして頂き、お手入れの重要性とコツを学ぶことができた有意義な勉強会になりました。
〔内 容〕
諸外国の子ども服の安全性に関する安全企画の状況や、日本における子ども服の安全性についてのJIS制定に至るまでの動向を伺いました。具体的に、衣料に付属するひもの使用においてデザイン上、注意しなければならない点がわかりました。今後もまだ、設計指針のJIS化の動きがあるということをお聞きし、注目していきたいと思いました。
〔内 容〕
衣料品・服飾雑貨品の検品・補修・物流・保管を行っている株式会社ハクホウ様に伺い、実際の検品・検針・プレス・補修工程等を見学させていただきました。国内に特化した検品体制で、お客様の様々なニーズに対応されているとのことで、見学時も従業員の方々が丁寧にご説明くださったのが印象的でした。検品はもちろんのこと、X線での異物判断や編みキズの補修など、熟練した技術を近くで拝見し、大変興味深く見学することができました。参加者からも多くの質問が寄せられ、とても充実した見学会になりました。
〔内 容〕
平成27年4月1日に公示され、同年10月1日施行となる、新しく改定された「クリーニング事故賠償基準」についてご講演頂きました。
前回の改定(平成11年3月)から16年の歳月が経過し、クリーニング業法の改定、クリーニング業態の多様化、クリーニング対象アイテムの変化に伴い、これらの内容が新しいクリーニング事故賠償基準に盛り込まれているとの事で、現在の状況により適したものに改定されていると感じました。
新・旧のクリーニング事故賠償基準を比較しながら事例を交えてご説明頂いたので、改正箇所や改正の内容がとてもよくわかりました。また、今までは平均使用年数と補償保証割合に注目しがちでしたが、改めて全体を読んでみることで理解が深まりました。
〔内 容〕
今回は染色の中でも、最も関心のある染色堅ろう度の不良原因と改善方法及び演色性にポイントを絞ってお話を伺いました。
染色に使用される染料は繊維の種類によってほぼ決まるということで、はじめに染料の種類とそれに適合する繊維についてご説明頂きました。
全ての染料が繊維と結合するわけでなく、染色工程で繊維と結合しなかった染料は未固着染料として繊維上に残留し、それをソーピングよって洗い流す工程を十分に行わないと後々トラブルが起きやすいということでした。
もし、トラブルが起きた時の為に、各堅ろう度(耐光・洗濯・汗・摩擦・ドライ・塩素・色泣き・汗耐光)の不良原因と改善方法ついてご説明頂きました。ただ、汗耐光については基本的に薬剤等による改善方法が殆どなく、初めに染料を選びきることが必要とのことです。
また、製品での改善方法は生地での改善方法に比べ非常に方法が限られるため、縫製工場に入る前(裁断前)までにいかに堅ろう度が悪いものをみつけるかが重要であるので、ソーピング不足を発見する簡易チェック方法を伝授して頂きました。
生産段階においては色の演色性という現象も発生することが有り、色を見る光源の重要性
についても説明頂きました。
中国工場の現場のお話等教科書には載っていない内容ばかりで、とても有意義な勉強会でした。
〔内 容〕
金襴とは、一般に金糸や金箔をふんだんに織り込んだ織物を指しますが、厳密には70センチ幅の金糸の入った織物のことを指すそうで、加地金襴株式会社では、お坊さんが着る袈裟や本堂の荘厳品といわれる飾りに用いる生地を製造されています。
今回の見学会では、金襴の生地を織る工程を説明していただきながら、職人の方々の熟練した技術をとても近い距離で見せていただきました。
金襴の生地には、和紙の上に漆を塗り、その上に箔が重ねられた「箔糸」が用いられ、金糸とは異なるきらびやかな光沢が得られるのが特徴です。この箔糸は、職人の方が1本ずつ手作業で織機にセットされ、すばやく織りあげられていく様子に、見学者からは感嘆の声があがっていました。また柄を織り出すからみ糸はとても細く、糸つぎが機械ではできないため手作業で2000本もの糸をつないでいくとのことで、この作業も熟練した技術が必要とのことでした。
あらゆるところに優れた職人の方の技術が結集され織りあがっていく工程を見学することができ、とても有意義な見学会となりました。