協和レース株式会社 取締役開発部長 藤 井 良 史 氏
〔概要〕
ここ数年トレンド素材として取扱う機会の多い「レースについて」をテーマに勉強会を行いました。
まず、最初に資料やサンプルを見ながら、レースの種類や見分け方を学び、参加者から事前に寄せられた質問から、日本のレース業界の現状、産地、また、お客様からの相談事例など幅広い内容のお話を伺いました。
参加者からは「ネットもレースの一つということが分かった」「生地に刺繍されたものもエンブロイダリーレースということが分かった」等レースの種類の多さに驚いた感想が多く出ました。
また、組織が繊細であるが故のデメリットも知ることができ、大変有意義な勉強会でした。
(株)アシックス グローバル法務・コンプライアンス統括部 安全品質保証室
室長 尾崎 明文氏
〔概要〕
スポーツウェアやシューズには様々な機能性が付与されていますが、最近はスポーツ用品や機能性商品がスポーツ以外の日常生活に取り入れられることも多くなりました。しかし、このような機能性を謳っている商品でもメーカーが違うと体感できる効果も違うのか、またどんな風に評価をされているのか等、疑問もあります。そこで今回は、株式会社アシックスで品質保証を担当されておられる尾崎様を講師にお迎えし、お話をお伺いしました。
スポーツ用品では幅広く用いられているポリウレタン素材ですが、アシックスにおいては、実用に則した評価方法や基準の見直しを継続して行っていることや、そのデメリットである経時劣化によって、商品の構造が著しく損壊する部位や損壊した場合にお客様の身体に危害を与える可能性のある部位には原則的に採用しないこと、などご紹介いただきました。
また素材の改良に取り組むだけでなく、共通の課題に関しては業界各社と協力し、消費者への品質の啓発の取組みを行っていることもご紹介いただきました。
先日日米通算4000本安打の記録を打ち立てたイチロー選手のスパイクの開発については、3次元足型測定機で本人の足の形状や寸法を測定し、それをもとに高いフィット感が得られるようにオリジナルラストを採用している等のお話をいただき、参加者の皆さんも興味深く聞いておられたのがとても印象的でした。
〔概要〕
はじめに、透湿防水素材を作るにあたって求められる機能、製造方法によって異なる性能、製造方法や透湿防水機能の仕組みなどについて、様々なサンプル画像とともに説明頂きました。透湿防水の仕組みや製造方法によって、日常の運動時に適した素材と山登りなどの環境に適した素材が作られているとのことでした。
さらに、透湿防水素材に求められる機能について評価する試験方法についても、試験
方法の仕組みや各機能に対してどの方法が評価に適しているか、分かりやすく説明
して頂きました。
なかでも虫除けスプレーに含まれる成分がウレタン樹脂を溶かしやす
い性質があり、実際に消費者クレームになった事例があるという話には驚きました。
〔概要〕
新井繊維ではC&Sを中心とした縫製工場を見学させていただくと共に、C&S縫製の特殊ミシンや現在の縫製工場の現状についてお話いただきました。
また、黒沼染工場では製品染め・段染め・生地染め・シルクスクリーンプリント等、実際の工程をすべて見学させていただくことができました。都内でも数少ない工場を実際に見る事ができる貴重な機会となりました。
〔概要〕
金糸・銀糸の産地である京都の城陽市にある後染めラメ糸メーカーの泉工業㈱より山田様を講師としてお招きし、アルミ箔にマーカーペンで着色し、フィルムに貼り付けてラメ糸を実際に作って みることで基本的な構造を理解するという内容を中心にお話していただきました。
ラメ糸は一般的な「糸」では無く、繊維と包装材の間ある異質な存在であり、その性質をきちんと理解しないまま使用すると、選択ミスや加工ミスに因ってクレームを引き起こしかねない存在である為、ラメ糸の性質を理解することがとても重要とのことでした。
今回は定員30名のところ、定員を超える申し込みを頂いた為、50名での開催となりましたが、 実際にラメ糸を作ったり、毛糸に金色のビニタイを巻き付けてラメ糸の撚糸を再現するという、ラメ糸の構造を知る為の実習を交えての講義はとてもわかりやすく、2時間が短く感じる程でした。
■繊維ニュースに衣料管理士(TA)の集いに関する記事が掲載されました。
繊維ニュース8月5日(7面)「ラメ糸について語る」 大きく→
〔概要〕
石川メリヤス様では、主に作業用手袋と靴下を製造されており、手袋は創業当時からのサイコロ印の軍手から始まり、各企業の工場で使用される切れにくいアラミド繊維の作業用手袋など特殊なものや、季節商品として、ニットの手袋、UVカット手袋も展開されていました。また、靴下では、ラブヒールという保温性に優れた2重構造の靴下を中心に、5本指ソックス、着圧ソックス、デザインソックスなどを展開されておりました。
今回、工場内では殆どが手袋を製作されており、古い機械から最新の機械まで揃っておりました。全て横編み機で手袋専用、靴下専用とあり、また古いタイプは右専用、左専用と分かれており、ウレタン入りのものは気温に左右されやすく、朝と昼ではサイズが大きく変わることがあるそうです。独自の方法で調整はするものの、靴下は左右があるため苦労は絶えないとのことでしたが、最新の機械は左右交互に編むことができるのでサイズの苦労は大分なくなったそうです。また親指が立体的に編めることや、パソコンでデザインできる等の技術が新しいと感じました。
〔概要〕
はじめに花王株式会社が取り組んでおられる環境への取り組みについてご説明をいただき、花王エコラボミュージアム、温室、ハウスホールド製品の充填・包装工程を見学しました。
製品のライフサイクル(製品の原材料調達から生産、物流、販売、使用、廃棄などすべての段階)で、最も環境負荷が大きいのは製品を使用する段階だそうです。例えば"詰替え品"を使用することで廃棄物を80%削減することができること等を学び、メーカーだけでなく、消費者も積極的に地球環境のために行動することが重要であると感じました。