〔概 要〕
はじめに会社の沿革や工場内で行われている工程などについてご説明をいただき、続いて工場内を回りながら様々な機械や工程をみせていただきました。
糸や生地の保管や糸を小巻にする工程、ニットの丸編み機、布帛の織機、検反機、また色々な加工を行っているとの事ですが、特にシルケット加工の連続機の長さ大きさには驚きました。
研究開発部門も併設されており、クイックな対応が出来ると力をいれておられるのがよくわかりました。
また中東の民族衣装の生地シェアもトップクラスで、白度の細かな違いにも気を配り納品されているお話は興味深かったです。
少し駆け足ではありましたが甲子園球場2つ分の広さの敷地内を回らせていただき大変勉強になりました。
〔概 要〕
はじめに検品や修正、検反などの作業現場をリモートで見学し、LEDによる退光例やインキング修理、生地キズ(伝線や穴あきなど)の補修作業を実演いただきました。
インキングは実際に生地に乗った時の色を計算し3色の顔料から色を作り出すため、経験と勘とセンスを要する作業でした。また、生地キズ修理は生地糸を1本ずつ針ですくう作業で、集中力と正確性が必要な大変な作業でした。そのため、補修作業者は目の良い若い方が活躍されており、反対に検反は繊細で瞬発的な判断力を伴うため熟練者しか行えず、現作業員が70代以上のため、後継者の育成が課題だそうです。
修正できるものできないもの、また様々な修正方法を学ぶことで、1点でも多くの商品をお客様へお届けすることにつながると感じる見学会でした。
〔概 要〕
はじめに座学にて、羊毛と獣毛の違いや獣毛の種類と特徴について、毛の種類を特定する際の注意点などを学んだのち、毛(繊維)の直径や平均繊維長を測る試験方法と試験機を見学させていただきました。
獣毛繊維製品が多く流通している中でも高級品とされるカシミヤを用いた繊維製品は、1990年以降、他の獣毛繊維を混合しての偽装が行われることが多くなり、さらに昨今の加工技術の進歩により、非常に手が込んだ偽装も多くなったため、相当な経験者でないと見分けることが非常に困難なものが多数見受けられるようになったそうです。一般消費者がこういった偽装品を購入することの無いよう、我々がきちんと検査依頼をし、正しい情報を提示する重要性をあらためて感じました。
〔概 要〕
今回のオンライン勉強会は、バナナクロス推進委員会を立ち上げ、「バナナクロスⓇ」の普及活動に取り組んでおられるM・Nパートナーズの新田守様、MNインターファッション株式会社の笠井克己様にご講演いただきました。
世界中で年間1億5000万トンも食べられているバナナ。日本でも年間100万トンを輸入しており、幅広い年齢層に好まれ、栄養価も高く、スーパーでは一年中並んでおり誰もが見たことがあると思いますが、果物ではなく果実的野菜に分類されます。そして、木では無くバショウ科の多年生の草で、茎は一度しか実を付けず、バナナ(実)収穫後は茎の根元から新芽が伸びてくるので、育てるために茎は伐採するそうです。このようなバナナの栽培方法を知っている方は少ないのではないでしょうか。
そんな廃棄材の茎に目を向け、サスティナブルな観点からもその茎をどうやって活かしたらよいか試行錯誤し、開発を重ね「バナナクロスⓇ」が生まれたそうです。
バナナの茎1本(25㎏)あたり500~750gの繊維が採れるとの事ですが、元は食用に栽培された茎の活用なので、廃棄物の大幅削減、資源の有効活用、腐敗による悪臭や焼却による二酸化炭素発生の減少、そして地元に暮らす方々の生活改善に寄与するなど、まさにSDGsへの取組みも兼ね備え、循環型社会への実現に大きく貢献できる環境にやさしい素材だと言えます。
残念ながらバナナ繊維には特徴的な機能はないようですが、綿と混紡(割合は8~30%)することでサラッとした肌触りになり、靴下・タオル・マット・トートバッグ・シャツ・デニムなどに製品化されています。また、支援してくださる企業様の中には制服として着用しているところもあるそうです。現状は、綿70%/植物繊維(バナナ)30%の割合がベストだとおっしゃっていましたが、これから合繊との混紡や、バナナ繊維の高混率のものにも取り組んでいきたいとの事でした。
新田先生、笠井先生をはじめバナナクロス推進委員会の皆さまが、地球にやさしい「バナナクロスⓇ」を、たくさんの方々に知ってほしいという思いが伝わってくる内容でした。
綿・麻・シルク・ウールに続く第5の天然繊維に育てたいという願いが、一日でも早く叶う日が来ることを願っています。
〔概 要〕
今年度はじめての勉強会はオンラインで開催しました。繊維製品に関わる業務を行っている衣料管理士ですが、最近は食品についての知識も求められるようになってきているとの声があり、今回は株式会社阪急クオリティーサポート 菊井様を講師にお招きし、「知っておきたい食品表示・衛生管理の知識」をテーマに食品表示と食品衛生についてご講演をいただきました。
多くの繊維製品と同様に、食品は食品表示法により表示事項や表示方法が決められています。生鮮食品と加工食品によって表示内容は異なるので、まずは定義を理解することが大切です。特に私たちが食品を取扱う場合は加工食品が多いので、主に加工食品についての表示ルールについて解説をいただきましたが、各表示事項それぞれにルールを守らなければならないことを知りました。特にアレルギー表示については、かんきつ類であってもオレンジは表示対象であり、みかんやレモンは対象外であること、卵も鶏などの鳥の卵は表示対象ですが、魚卵は範囲に含まれないなど、新たな学びが多くありました。
また食品衛生の基礎知識として、食中毒対策についてもお話をいただき、食中毒を防ぐためには菌を付けない、増やさない、やっつけるが3原則であり、これから夏に向けて食中毒が発生しやすい時期にもなるので、日々の中でも取り組んでみたいと思いました。
これから業務で食品を扱う方にとって知識を深めることができ、また日々の生活の中でも食品表示に関心を持つ機会になりました。