ミニ情報TOP→ 日本衣料管理協会TOP→ バックナンバー一覧（2003年度:第20巻～）→
行 政 ★キャッシュレス決済ポイント還元制度で問題発生
素 材 ★再生ポリエステルを進化･拡張
加 工 ★湿摩擦堅ろう度3級 デニムの色止め開発
アパレル ★アパレルにIT技術の波
流 通 ★百貨店･アパレル 蜜月に幕
クリーニング ★除菌消臭スプレーのクリーニングへの影響
消 費 ★「カスタマーハラスメント」深刻 企業も対策
健康・快適性 ★アレル物質低減を実現
その他 ★新卒採用、FB業界でも進む早期化
経済産業省の20年度予算概算要求で、要求額は1兆4292億円、19年度比15.1％増額した。｢経済産業政策の重点｣に沿い、福島の復興･再生支援や脱炭素化を軸としたエネルギー転換施策の予算を増やす。AI活用などデジタル化への対応、スタートアップ企業への支援、中小企業の事業継承促進や海外事業･インバウンド拡大策も強化する。
世界経済フォーラムの旅行･観光競争力ランキング19年版の調査で、日本は前回と同じ4位となった。増加が続く訪日外国人客数や文化資源、衛生などの評価が高い。アジア太平洋地域では日本がトップで、オーストラリア、中国と続く。
厚生労働省の人口動態統計(速報)によると、1～7月の出生数は前年同期比5.9％減の51万8590人で、大きな落ち込みが続く。団塊ジュニア世代が40代後半になり、出産期の女性が減ったことが大きい。政府の想定を超える少子化は社会保障制度や経済成長に影を落とす。出産や子育てをしやすい環境の整備が急務。
経済産業省は、消費増税対策として中小店舗を対象に10月1日に開始したキャッシュレス決済のポイント還元制度で還元率の誤表示などの問題が発生していることを公表した。決済事業者に対応策を要請し、10月中旬までをめどに修正する方針。
政府はプラスチック製買い物袋の有料化を義務化する方針を固めた。世界的に地球環境保全への関心が高まるなか、プラスチックごみを削減し、資源循環を促進するのが目的。12月までに法改正し、「早ければ20年4月の施行」を目指す。ただし、時期については早すぎるとの声が大半。中･小規模の袋製造業者の経営に与える影響を懸念する団体もあるなど課題は多い。
トーア紡コーポレーションと大阪大学はメリノウール生地のスマートウェアを開発、北極冒険における体温や心拍など生体データ計測に成功した。ウールを使用したスマートウェアは「世界で初めて」だという。今回作成したスマートウェアは18ミクロンのメリノウールを原料とした梳毛ジャージー。1ヶ月間の連続着用に耐える耐久性やストレッチ性のある糸に仕上げたほか、編み立て、縫製段階でも肌との密着性を高める工夫を凝らした。
ソニーは独自開発した多孔質炭素材料「トリポーラス」を使用した消臭機能を持つ素材を作業用ユニフォーム向けに提供した。グループ企業の清掃スタッフのユニフォームに採用し、使用感などの意見を改良･開発に生かしていく。提供した生地は、トリポーラスの粉末をわたの段階で加工したレーヨンの紡績糸「トリポーラスファイバー」を使ったものである。一般衣料品や各種ユニフォーム用途で販路を開拓していく。
東レは、サステイナブル(持続可能な)社会の実現を目指すための事業ブランド「アンドプラス(＆＋)」を設定した。新たな旗印の下、ペットボトルリサイクル繊維の展開を加速する。今回、ペットボトルリサイクル原料に含まれる異物を除去するフィルタリング技術とペットボトルの高度な洗浄技術を持つ協栄産業(栃木県小山市)と連携し、異物と黄ばみを除去した高品位な原料の安定供給に成功。東レの繊維生産技術と組み合わせることで多様な繊維断面の生産と細繊度化を実現した。
ゴールドウインは、バイオベンチャーのスパイバー社が開発したクモ糸由来の構造たんぱく質素材を表地に用いたアウトドアジャケット「ムーンパーカ」を12月に発売する。水に濡れると数十％収縮する性質の改善に時間がかかったため、商品化に4年の歳月を費やした。たんぱく質分子のアミノ酸配列から見直して実用化に目処をつけた。課題は、用途拡大と原料価格の低減であり、タイに商業プラントを建設中だが、さらなる検討が必要である。
GSIクレオスは得意分野の原料を生かした新製品の提案を強化している。保温性素材として熱を吸収する鉱物を練り込み、特殊捲縮を発現したナイロン「キュアヘルツ」を開発した。オーミケンシ、東洋紡と開発した「パフレ」は、保湿成分スクワランを配合してpHコントロール機能も備えた素材であり、インナーウエアやよこ編のアウターウエアに提案していく。
ウエアラブルIoT製品メーカーのミツフジ(京都府)は、立命館大学と福島県川俣町と包括連携協定を締結した。ミツフジの福島工場に隣接する工業団地内に福島イノベーションビレッジを設立し、健康･食･スポーツの分野で新技術･産業創出を目指すもので、地域住民の協力を得ながら、開発したウエアラブルIoT製品で生体データをモニタリングして実証実験を進める。
中央パッケージング工業は、環境配慮型資材の提案を強める。従来のリサイクル紙製資材に加え、植物由来のバイオPE(ポリエチレン)混合のハンガーを開発するなどして商材を充実し、脱プラスチックの需要に対応する。環境に配慮したハンガーは、バイオPEを従来原料に25％混合してインジェクション成形した。ハンガーのほかにフック類も揃え、CO2排出量の削減に貢献する。
ユニクロと東レは、サスティナビリティー(持続可能性)に関する取り組みとして、回収したダウン(羽毛)のリサイクルと、使用済みペットボトルを再利用したポリエステル繊維を使う「ドライEX」の開発を共同で進める方針を明らかにした。ダウンの回収では、ユニクロが販売する"ウルトラライトダウン"を店頭で回収。東レが新たに開発したダウン分離システムによってダウンだけを取り出す。洗浄工程を経て、新しいダウン商品の素材として活用する。
双葉商事は、カポック繊維を中わたに使ったコート「カポックノット」を開発した。カポックは東南アジアを中心に自生する植物で、種子を覆う繊維を利用する。コットンの8分の1の軽さで保温性にも優れる。「たった5ミリでダウンの暖かさ」のキャッチフレーズで、クラウドファンディングで先行提案した。初日で予定金額の8倍を超える資金を集め、順調な滑り出しとなった。
サスティナビリティー(持続可能性)に配慮した素材を全面に打ち出そうとする合繊メーカーの機運が高まってきた。18年あたりから再生ポリエステルへの引き合いが高まっていたが、「欧米スポーツアパレル企業との商談ではエコ素材でなければ相手にしてもらえない」「どこもかしこも環境一辺倒」という最近の状況を踏まえ、メーカーは、エコ素材トータルをプロモートするブランド戦略や消費者のリサイクルへの意識を高めるための取り組みを強化し始めた。ここでは合繊各社の動きをまとめている。
トルコのイスコは、新しい生産プラットフォーム「R-TWOプロジェクト」を開発、生産過程で出た落ちわたや糸くずの再利用を19年から本格化した。すでに同技術でデニムの90％を生産、将来的には製品100％をサステイナブル生産に移行する考え。R-TWOプロジェクトは、リサイクル･リユース原料を取り入れる新しいサステイナブル生産技術で、生産の過程でリユース綿とリサイクルポリエステルを混合する。再利用する綿は自社工場で出たもので、紡績工程に戻す。
マッシュスポーツラボのレディスブランド「エミ」は、旭化成と協業し、サステイナブルなストレッチ素材「サスティナレッチ」を開発した。サスティナレッチは工場内で発生した不使用糸などを原料とする旭化成のリサイクルポリウレタン繊維「ロイカEF」と、資源使用量削減効果の高い手法でリサイクルされたナイロンを使用しており、全面的にリサイクル素材でできている。
服飾副資材メーカーは環境負荷を低減する商品開発と提案に力を入れる。大阪プラスティック工業は生産時の廃材をリサイクルしたボタンの品揃えを充実、カジテックはポリアセタール樹脂ボタンで成型後に残る枝状のランナーを粉砕し、バージン原料を加えて循環させている。モリトはでんぷん由来のバイオマス樹脂のひも止めや引き手、ホックなどを開発中。フジックスが再生ポリエステル糸「リペットスパン」やフッ素フリーはっ水糸の拡販を強めている。
オンデマンドプリントのイメージ･マジック(東京都文京区)は、イスラエルのTシャツ用デジタルプリント大手コーニットの新機種「アバランチ･ポリプロ」を導入した。ポリエステルの濃色プリントが可能で、Tシャツ1枚の出荷が注文を受けてから5分で完了する。コーニットは米アマゾンのマスカスタマイゼーションサービス「マーチ･バイ･アマゾン」を裏で支えていることで知られており、日本での商用導入はおそらく初という。
ジーンズ洗い加工の四川は、濃色ジーンズの湿摩擦堅ろう度が3級以上となるデニム製品の色止め加工を開発した。新たに開発した色止め加工は湿摩擦堅ろう度が3級と、未加工のデニムに比べ大幅に高く、洗濯堅ろう度も4～5級という試験結果が出た。ビンテージデニムといった濃色綿デニムの風合いや色合いを維持しつつ、色落ちしにくいため、製品を長く楽しむことができる。
ミマキエンジニアリングはアパレル向けのハイブリッド式インクジェットプリンターの販売を開始する。昇華染料インクと捺染顔料インクを同時搭載でき、布にも紙にもプリントできる。いずれもプリント後の洗い工程が不要で汚水の発生を抑え、サンプル生産や小ロット生産などを内製化することも比較的容易である。価格はドライバーソフト搭載モデルが348万円。
三井化学は、抗菌･防カビ剤の水溶液「ヨートルDP-CD」を、医薬部外品などを製造･販売するシクロケムバイオ(神戸市)と共同開発した。水溶性、耐光性、耐熱性、抗菌性を付与でき、繊維や樹脂などへの応用が可能という。1985年に三井化学が販売を始めたヨウ素系防カビ剤「ヨートルDO95」がベース。同剤をシクロケムバイオの環状オリゴ糖であるシクロデキストリンでカプセル化したのが、ヨートルDP-CDである。
織布会社の大善は、デジタル捺染による天然皮革とカシミヤへのプリント加工技術を開発した。自社内で前工程処理からインクジェット捺染、蒸し、乾燥、仕上げまでの一貫染色加工体制を構築した。天然皮革は高熱に耐えられる皮革を開発し、染色工程でも200℃の耐熱性や耐摩擦性、色むらの抑制などを実現した。カシミヤでは、バインダーや前処理剤の開発により、毛羽のある表面や薄地にも繊細な染色を可能にした。
大和化学工業(大阪市東淀川区)は染色同浴加工用の抗菌剤「アモルデンD4C」を開発し、提案を開始した。ポリエステルの染色時に同浴で添加する抗菌剤で、高い性能とともに後加工工程の省略で環境負荷の低減につながる。ポリエステルの同浴加工用抗菌剤はジンクピリチオンを使用した一商品が市場をほぼ独占しているが、同商品は有機カルボン酸系化合物で開発した。特許を出願中。パディング加工でなく染色と同時に機能性を付与するため、後加工に伴う熱処理や排水がなくなる。
日華化学はポリエステルの低温染色と濃染性を高めるマスターバッチ(さまざまな剤を練り込んだもの)の開発に取り組む。マスターバッチ「J19N-315」はポリエステルの染色温度を下げることで染色エネルギーや染色時間を低減するうえ、染料を高吸尽するため濃色化も可能。染料濃度を低減できる特徴があるため、環境負荷低減に貢献できるとしている。
韓国のはっ水加工会社TFJグローバルは、非フッ素系の薬剤を使って生地やアパレル製品にはっ水、はつ油、防汚の機能を加工する「ブルーロジー」を開発した。ブルーロジーは、人体に有害な物質を含まずエコテックススタンダード100認証を取得している。汎用素材への加工だけでなく、炭素繊維やアラミド繊維100%の難燃素材にはっ水性を付与できるうえ、これらの素材を一般の服として着られるように柔らかく仕上げることができる。
ソフトウエアなどの開発を行うニコンシステム(東京都品川区)は、ささげ業務(撮影、採寸、原稿作成)を効率化するシステム「SAI SOON(サイスーン)」の本格販売を始めた。パソコンに接続したカメラで商品を撮影するだけで採寸と画像生成ができ、電子商取引(EC)の業務効率などにつながる。アパレル企業やEC事業者、物流会社に提案する。
衣料関連ソフトウエア開発販売のボディグラムジャパン(米国)が提供する次世代採寸テクノロジー「ボディグラム」が、ユニクロアプリの新サービス「マイサイズカメラ」に採用された。撮影した写真をアップロードすると体の10カ所の寸法を推定して表示する。数値は保存が可能で、オンラインで商品購入時にデータが参照できる。
ソフトバンク傘下のヤフーは、ファッション通販サイト「ゾゾタウン」を運営するZOZOを買収する方針であることを明らかにした。ZOZOに対してTOB(株式公開買い付け)を実施する。50.1％の株式を取得し、連結子会社とする考え。ヤフーの買収額は4千億円規模になる模様で、TOB後もZOZOは上場を継続する。ZOZOは、19年3月期の連結純利益が前期比21％減の159億円で創業以来、初の減益になっていた。
サステイナブル(持続可能)なファッションビジネスの実現へ、サプライチェーンの透明化に注力する企業が増えている。テキスタイル業界では、環境に配慮した調達や製造工程を、第三者機関を通じて証明し、発信する動きが活発だ。日本でも、サステイナブル消費の浸透や輸出拡大を見越し、対応が進むが、認証の取得にかかるコストや労力に、"疲れ"を見せる企業も出始めた。
繊維産業界で昨今、成長領域として関心を集めているスマートテキスタイル。2000年代初頭、エレクトロニクス業界からのアプローチで開発され、注目されたこともあったが、当時は実用に耐えられる技術ではなく、「市場に出回ることはなかった」という。基礎技術の研究開発が進み、今は導電繊維および電動プリントを使った配線によって制度の高い電気信号を送れるようになった。
日本縫製機械研究会は、19年度の第1回共通基盤ネットワーク研究会を開いた。18年度に立ち上げ、縫製工場でのデータ連携の基礎構築の問題点を抽出し、19年度は縫製用語･仕様書の共通化、機械稼働状況の把握について検討し、サプライチェーンをスムーズに回すことに貢献する方向性を確認した。
AOKIは、防虫加工を施した業界初の礼装用フォーマルウエアを商品化した。ドライクリーニング10回後でも忌避率100％を誇り、保管時の虫食いを抑制する。人体に無害な特殊防虫加工を表地に施した。食害の心配が少なく、保管カバーなどを用いずに長期間着用･保管することができる。信州大学繊維学部と共同で型紙を改良し、表地のタキシードクロスには同社商品対比2～3倍のストレッチ性を持たせて快適な着心地を付与した。
繊研新聞社が推定した18年の日本の衣料消費市場規模は、前年比0.4%増となった。18年は微増となり、頭打ち感が鮮明。各種統計から算出した市場への供給数量は、輸入の拡大もあり、3.4%増となったが、為替水準が安定していて、服の平均単価は低下。インバウンド(訪日外国人)の買い物額は前年より減ったが、家計消費支出(月ベース)に占める「被服及び履物」に使う金額が回復、全体として前年並みの規模を維持した。
伊藤忠商事はアパレルスタートアップ、TOZIテクノロジーカンパニー(トウジ)と資本･業務提携すると発表した。トウジの開発した採寸アプリを活用し、バーチャルで衣服を試着できるサービスを20年春にも展開する。採寸データを使って体型に合った衣料品の生産体制も整える。デジタル技術で新たな衣料品の事業モデルを構築する。
アパレル業界で商品にIT技術を組み込む動きが広がっている。ジーンズ大手のリーバイ･ストラウスジャパンは、袖口をこするなどしてスマートフォンを操作できるジャケットを発売。仏高級ブランドのサン･ローランは着信の通知などができるリュックサックを発売する。アパレル不況が止まらない中、最新技術を搭載することで裾野拡大を狙う。
アパレル企業が環境に配慮した店作りに乗り出している。セレクトショップのデイトナ･インターナショナル(東京都･渋谷区)は、新店で廃材や再生可能エネルギーを使用。マッシュホールディングス(東京都千代田区)は店舗の内装に再生ガラスを使う。業界ではレジ袋の切り替えなどを進めてきたが、消費者の「エコ」への意識が高まるなか、さらに踏み込んだ取り組みを進める。
三陽商会が自社工場をそのまま衣料ブランドに育てる戦略を打ち出している。工場の名前を冠することでものづくりを重視する姿勢を鮮明にし、付加価値が高い商品であることもアピールして、顧客に長く愛用してもらう戦略だ。三陽商会の商品であれば、破損した部分の修理を請け負うサービスも充実。アパレルでは価格の二極化が進んでおり、高価格でもこだわりや環境対応を評価する層を囲い込む。
専門店の採用難が続くなか、一部企業では19年春の採用数や20年春の新卒採用活動での応募者が増加し、減少基調に変化の兆しが表れている。繊研新聞社の調査で、19年春の採用凍結企業が3％に減り、採用数が増えた企業が29％と久々に前年より増加した。賃金の改善、休暇の取得促進、評価制度の見直しなど、働きやすい環境作りに力を入れている。
地方や郊外都市の百貨店の閉鎖が続いている。8月に大沼米沢店、9月に伊勢丹相模原店･府中店など、いずれも営業赤字から脱却できなかったのが要因。厳しい環境は今後も続くことが考えられるが、増収基調に転じている百貨店もあり、それらの取り組みを紹介している。
繊研新聞社の服地卸･コンバーター企業への調査で、18年度の服地売上高の輸出比率が前年比で高まった企業の割合が21社中4社、変わらなかった企業10社となった。日本国内で調達･生産した意匠性の高い生地をはじめ、ストック機能による即納性、サスティナビリティーの提案が高まっている。
地方経済が疲弊し、閉店ラッシュが続く百貨店業界。そんな中、青森県が地盤の中三(なかさん)が、国内でも珍しいアウトレットモールを併設する新たな店作りに乗り出した。狙うのは郊外に流れた地元客だけではない。百貨店の成立案件とされた「100万人商圏」が崩れたいま、東北全域から人を呼び込み、外国人観光客も取り込む戦略だ。中三の取り組みは、生き残りを模索する地方百貨店のヒントにもなりそうだ。
スタートアップ企業による後払い決済のサービスがインターネット通販市場を支えている。後払いはクレジットカードがなくても衣料品などを買える仕組みで、わずらわしい操作が要らないと女性の利用者が急増。ペイディーは3年近くで10倍に増えた。AIで利用限度額をはじく技術など、テクノロジーが競争の鍵となっている。
アジア･太平洋地域の小売業界最大のビジネスイベント「第10回アジア太平洋小売業者大会」が中国重慶で開かれ、19ヵ国･地域から390人の関係者が参加、「新しい小売り、消費、潮流」をテーマにセッションが行われた。デジタル技術の進展やEC、キャッシュレス決済手段の広がりなどを背景に、技術を活用した取り組みが紹介された。
繊研新聞社が推定したファッション商品の消費者向けEC市場規模は約1兆1000億円、EC比率(国内ファッション市場におけるネット販売比率)は11.3%となった。EC市場規模は2ケタ成長を持続し、EC購入率も10%を超えた。7～14面に特集。
国内ファッション購買のEC比率が20%へ向かうさなか、ヤフーのゾゾへの資本参加と前澤友作ゾゾ社長の退任のニュースは、ファッションECが大きな転換期に入ったことを示す。ファッションECモールが引っ張ってきたEC化の役割は薄まり、ネット･IT系の大きなグループのパワーを利活用しながら、自社ECと売り場への顧客の流れをより加速することが重要になった。
米アマゾン･ドット･コムが既存の小売業を脅かす「アマゾン･エフェクト」が猛威を振るっている。米小売り大手のシアーズHDなど名門企業の経営破綻が相次ぎ、米国で閉鎖した店舗数から開店した店舗数を差し引いた純減数は17年以降で計約1万店となった。米国で18年に閉鎖した店舗の面積が最高を更新し、さらに勢いを増す。ネット通販の普及が一段と進む日本でも、小売業が対応を迫られる。
千葉県に大きな被害をもたらした台風15号。上陸した9月9日以降、復旧に思いのほか時間がかかる。SCは、停電で休業を余儀なくされるなどしたものの、インフラが寸断され避難生活を強いられる地域を支える役割を担っている。地域密着はSCの大きなテーマであり、エリアで最もにぎわう場所という意味だけでなく、緊急事態の期待に応えることも重要になっている。
米大手小売業の19年上期(2～7月)決算は、40社合計の売上高が前年同期比1.9％増となった。10社が赤字で、2社が黒字に転じた。低い失業率が続き、堅調な経営環境のなか、企業間格差が大きくなった。増収増益で好調だったのは、デジタル時代に向けた投資と改革が進むウォルマートとターゲットをはじめとする上位5社のディスカウンター、大手オフプライスストアと一部専門店だった。
外資系スポーツメーカーが9月、相次ぎ日本に拠点店舗を出店した。世界初という業態もあり、来年の東京五輪を見据え、日本を重要視していることがわかる。店舗ではイベントも充実し、ECにはない顧客の体験の場としてもアピールする。
米カジュアルブランド「フォーエバー21」の日本法人は、10月末に国内全14店舗を閉店すると発表した。オンラインストアも閉鎖する。低価格のカジュアル衣料品店として09年に上陸したが、競争環境の激化で、退場を余儀なくされた。
最近のオーダーメードは3D計測が発達し、誰でも気軽にできるジャンルが増えている。そんな最新計測を活用し、一度着けたらやみつきになる、サイズぴったり商品やサービスを紹介している。
繊研新聞社が実施した18年度全国専門店アンケートで、19~20年秋冬以降の価格施策について、「上げる」「下げる」「据え置く」の3つから選択してもらった結果、94社中79社が「据え置く」を選んだ(「上げる」12社、「下げる」3社)。消費増税を踏まえて価格を下げる動きもあるかと予想したが、下げる企業はほとんどなく、増税分は小売価格に転嫁される。
ファッション小売り商況9月は、消費増税直前で注目されたが、百貨店と専門店で結果が大きく分かれた。百貨店は20日以降に急上昇、宝飾品やラグジュアリーブランドなど高額品が伸ばした。一方、専門店はリーズナブル商品には広がらず、効果は少なかった。
オンワードホールディングス(HD)が国内外の約2割に当たる約600店舗の閉鎖を決めた。百貨店との二人三脚で事業の礎を築き、今なお主要売上高の7割を占める「百貨店アパレル」の代表格である同社。両業界の蜜月関係は既にひび割れていた。オンワードの決断で国内アパレルの伝統モデルは終焉(しゅうえん)を迎え、地方を中心とした百貨店が一層の苦境に追い込まれるのは避けられそうにない。
コナカは就活生向けに自社スーツを無料で貸し出すサービスを始める。紳士服のレンタルサービスを提供するスタートアップと提携。店舗で利用者の体形を採寸し、自社のスーツを貸し出す。紳士服チェーンになじみの薄い若者層に対して無料で商品を提供し、自社ブランドに触れてもらうきっかけ作りを狙う。
米国の小売り最前線では、実店舗が重要視されている。スイス最大の銀行で世界有数の金融持ち株会社のUBSがニューヨークで開いた「フューチャー･オブ･リテール･コンファレンス」で具体的な事例が報告された。
デジタル化が進み、小売りのSPA化、メーカーの直販などによって、両者の垣根が崩れつつある。価格決定権を巡り、かつて30年間争った流通最大手のダイエーと家電メーカー最大手の松下電器産業。終結から四半世紀、交渉に携わった当時の副社長らが集まり舞台裏を明かしながら正価などについて議論した。双方とも自陣の正しさを主張し合った。
ジュニア市場を攻めようとする動きが、至る所で起こっている。ユニクロなどの大手専門店やスポーツブランド、女子小学生ブランドなどのシェアが大きいが、テイストや価格の選択肢が充実しているとはいえない。その穴を掘り起こせとばかりに、新たに参入したり、既存ブランドを強化する企業が増えている。
スーパーや百貨店で大規模なリストラ策を打ち出している。ともに日本の消費社会を大きく引っ張ってきたが、なぜ、色褪せてしまったのか。まず、店がファンと共に高齢化してしまった。百貨店もGMSも売上高が伸びていたのは、日本の大衆消費社会をリードしてきた団塊世代の影響だが、彼らが70歳前後となった。また、GMSの品ぞろえはどこの企業もほぼ同じで、同質化してしまうと価格競争に陥る。さらに、ネット通販の台頭も理由のひとつになっている。急速に進むデジタル化の中で取り残されていることも要因である。SCは物販だけでなく映画、飲食などのコト消費が誘客に一役買っている。既存のGMSにそうした有力テナントやコト消費の機能を持つ施設を誘致できるかは未知数となっている。
消費増税から2週間がたち、アパレル各社が駆け込み需要の反動減に苦しんでいる。レナウンは10月に入り、売上高が前年より最大4割減少。しまむらは当面、1割程度の販売減を見込む。アパレル業界にとって、秋冬シーズンはコートやダウンなど高単価の商品を売る「稼ぎ時」に当たる。それだけに、各社はセールや値ごろ感のある価格設定で販売減を最小限に食い止める。
偶数月の15日である年金支給日が、個人消費の現場で注目されている。20年で約21兆円も増え今や55兆円規模(17年度)に膨らんだ年金を取り込もうと企業も動く。日本経済新聞がスーパーの店舗あたりの来店客数と販売金額を調べ、18年は全国の10地域全てで年金支給日が給料日を上回った。消費の現場が大きく変わりつつある。
グローバル大手小売りの今後の事業拡大を支える両輪は、デジタル化とサスティナビリティーと、繊研新聞社の「記者の目」で伝えている。サスティナビリティーに関連する活動は、地球規模での環境変動や災害が増える時代にあって、消費者から選ばれ続けるための必須の条件になりつつある。その重要な課題について具体的に説明している。
百貨店大手がアパレルの自社運営売り場を大幅に見直す。高島屋はオーダースーツや若手デザイナーの商品を拡充。J･フロントリテイリングは紳士ブランドで、機能性を高めたスーツを追加した。アパレル大手の退店が相次ぐ一方、こうした商材は百貨店には欠かせない。売り場作りを主導することで、既存顧客のつなぎ留めや若者の開拓につなげる。
日本百貨店協会の全国百貨店売上高9月は、23.1％増の2ヵ月連続増加した。消費増税の目前の駆け込み需要が急上昇し、高い伸びになった。美術･貴金属などの高額品やコートなどの衣料品(19.2％増)や雑貨(51.2％増)が動いた。
東急、JR東日本、東京メトロの共同出費会社、渋谷スクランブルスクエアは、渋谷駅直上の大型複合施設「渋谷スクランブルスクエア」東棟(地下7階～地上47階)を11月1日に開業する。地下2階～地上14階の商業施設は年間売上高400憶円を計画。
FBプロフェッショナルへの道は、業界知識の基礎講座、月2回、第2第4金曜日に掲載。今回は、過去10年の衣料消費市場規模、市場へ供給される服の数量と平均単価、服の家計支出、購入状況がデータとして記載され、この十年間の衣料消費市場の推移が理解できる。18年の衣料消費市場は、9兆7900億円(前年比0.4%増)と推定している。
全ク連とクリーンライフ協会は、クリーニングを含む適切な衣類の取扱い情報を周知するために、除菌･消臭スプレーの使用実態をアンケート調査し、使用の有無による洗濯やクリーニングへ後の衣類に与える影響を調べた。その結果の一つに、除菌･消臭スプレーを重ねて噴霧した場合、衿垢汚れを模した汚れに関してはドライクリーニング溶剤による処理に対して、汚れが落ちにくくなることが確認された。水洗いや汗汚れについても言及している。
全ク連は、厚労省の令和元年度生活衛生関係営業対策事業費補助金を活用し、クリーニング師の資格のあり方に関する調査･検討事業を実施する。クリーニング師の役割･責務が明確でないこと、資格試験は都道府県単位で内容が異なること、都道府県と保健所でクリーニング師名簿が不統一であることなど、様々な課題を把握、整理し、本資格のあるべき姿の構築を目指す。
㈱サトウ商会は、業界初の試みとして、民泊ホストに向けた小ロット宅配理念サービス「民泊リネンパック」の提供を開始した。富士山の伏流水で洗うネット宅配クリーニングをベースにし、シーツ、枕カバー、タオルなどなんでも10点まで。サービス提供エリアは全国で、ネットで24時間受け付ける。
全ク連は、「経時劣化に注意が必要な素材について」をテーマに9月から調査を開始している。「シームレスダウン」の経時劣化による圧着剥離の問題や合成皮革、ボンディング加工、コーティング加工布、ストレッチ加工糸(弾性糸)などに使われるポリウレタンなど経時劣化が懸念される素材や製品によるトラブルを防ぐため、消費者がリスクを踏まえた製品の購入や洗濯･クリーニングの判断ができるよう周知することを目的としている。報告書は20年3月下旬の発刊を見込んでいる。
福岡市は国家戦略特区を活用して、洋服と下着類をまとめてクリーニングに出せるよう、クリーニング業法の規制緩和を求めることを決めた。同市は単身者も多く、不便との声があった。現行規制では、直接肌に触れる洗濯物は消毒が義務付けられており、スーツやワイシャツと一緒にクリーニング店に引き渡すことはできない。実現すれば、全国初となる。
東京都内のクリーニング業において、8月末時点で3名の死亡、1名の骨折という重篤災害が発生し、東京都労働局から「労働災害防止対策の徹底」の要請が発せられた。経験期間が1年未満の被災者が最も多く、未熟練労働者に対する安全衛生教育マニュアル、機械設備の安全化･化学物質管理、リスクアセスメントを講じるよう警告があった。
日本クリーニング用洗剤同業会は19年上期(1～6月)の出荷実績を発表。前年比1.8％増となり、ランドリー用ソフター、ランドリー用粉末漂白剤の出荷増となり、総出荷総計増となった。一方、ドライ用洗剤は前年比-2.5％と前年を下回り、ドライ離れに歯止めはかかっていない。
埼玉県クリーニング生活衛生同業組合青年部会は、19年度に初めて埼玉県越谷市の中学校にて、出前授業(家庭科･洗濯)を行った。汚れの成分、落とすための洗い方の解説、プロと家庭での洗いの違い、シミ抜き、アイロンがけまで実技指導を含め行った。汚れ落としの実験やアイロン仕上げに関心が高かったようだ。
職場などで女性へのパンプス着用の「強制」が社会問題となっているが、販売店やメーカーの側も「苦痛でないパンプス」の実現に知恵を絞っている。靴の実寸データベースを使ったサイズ合わせサービスや、機能性パンプス、価格を抑えたパターンオーダーなどが紹介されている。
従業員が客などから嫌がらせをうける「カスタマーハラスメント」は深刻だ。従業員を守るため対策に乗り出す企業も出てきた。アンケート調査の結果からは56％が「この3年間でカスタマーハラスメントが増えた」と回答、93％が対応によるストレス増加を感じ、82％が仕事への意欲が低下したと答えた。さらに半数以上は、休職や退職のリスクも感じていた。
消費者庁は「はくだけで痩せる」などとうたった女性用下着のガードルとソックスの広告は虚偽で景品表示法違反(優良誤認)にあたるとして、販売会社のトラスト(東京都新宿区)に再発防止命令を出した。全国の消費生活センターには、「はいても痩せない」などの苦情が約300件寄せられている。
見た目のかわいらしさや好みを基準に選びがちな子ども服。しかし動きが活発で周囲に注意が行き届かない子どもにとっては重大な事故につながりかねないデザインもある。パンツの裾から垂れたヒモが自転車に絡まって転倒するケース、フードから下がったヒモが遊具に引っかかって首が締まるなどの事故事例がある。
カインズ(本社･埼玉県)は、19年6月から販売している除菌ウェットティッシュに仕様外の「メタノール」が混入していたとして、自主回収を始めた。
消費税が10％に引き上げられるが、駆け込み商戦が盛り上がる中、成人式の振袖やランドセルの購入などで「増税前なのに税率が10％だった」という相談が消費者窓口に相次いでいる。今回の増税では、定期券など増税後に必要な商品やサービスでも増税前に支払う場合は8％が適用される「経過措置」があるが、振袖やランドセルなどは対象外である。消費者側に困惑が広がっている。
繊研新聞社が四半期毎に行っている「ファッションビジネス景況･消費見通しアンケート」の10～12月のファッション消費は「良くなる」とした企業が6月の調査から大きく減少し、「悪くなる」が6割も増えた。増税負担増による購買意欲の低下や節税志向の強まりなど懸念材料が多く、インバウンド減少など国内情勢も加わり、ファッション消費への危機感が強まっている。
顔などに貼る「タトゥシール」や肌に絵を描く「フェースペイント」で、かゆくなったり、取る際に肌に傷が付いてシミが残ったりと、皮膚障害が起こる恐れがあるとして、消費者庁と国民生活センターが注意を呼び掛けている。同センターが、市販されている商品を調べたところ、化粧品では規制されている「ホルムアルデヒド」が検出された。
汚れた衣類をきれいにすれば気分も爽快で、最近の洗濯機は機能も多彩だ。生活スタイルに合った好みを見つけようと便利な機能の付いた製品を中心に選んで、比較をしている。デリケートな衣類を傷めずに洗いたい人にはドラム式洗濯乾燥機がお薦め。回し車のような形の洗濯槽で衣類を持ち上げて落とすので、こすれにくい。
豊島が行った全国の15～49歳の男女1089人を対象にした「洋服･ファッションに関する環境意識調査」で、「環境に配慮したファッションを取り入れたい」と70％の人が回答している。実際の購入ポイントは、「デザイン」「価格」を選択した人が74％だったが、「環境への配慮」は5％だった。
VR(仮想現実)への関心が高まっている。バーチャルユーチューバーやバーチャルインフルエンサーなども近年勢いを増し、CMや店頭広告など様々な場所で活躍し始めた。消費者も自分の分身である"アバター"を所持し、VR空間で自己表現し、消費行動に至っている。今後、VR空間で時間を消費する消費者はさらに増えるだろう。
東レはリミテッドユース保護服「リブモア」で、高通気素材を部分的に使用することによって着用快適性とコストバランスを両立させた「リブモア2000シリーズ」の販売を開始した。通気性と防塵性に優れた不織布「トレミクロン」による多層構造素材を部分的に使用することで快適性とコストバランスを両立させた。暑さを感じやすい頭、胸、背中に部分的に使用。JIS T 8115 2015タイプ5(浮遊固体粉じん防護用密閉服)規格にも適合。
クラレが開発したウェアラブル電子制御冷暖房装置は、局所適合環境を持ち歩く環境ウェアラブルという新しい発想の電子機器である。頸部を冷暖房することで体温を適切にコントロールできる。
セールスプロモーション企画会社のビームコーポレーション(東京都品川区)は、防寒ウエア「ネオヒート」を商品化した。ヒーティング素材を後身頃の一部に配し、モバイルバッテリーを使って温める。ダウンベストやジップパーカなど3アイテムをそろえ、19秋冬物で販売を始める。ヒーティング素材のナノフレキシブル加熱フィルムは、0.06ミリの薄さで、スイッチを入れて10秒以内に約9℃温度が上昇し、弱(40℃)、中(50℃)、強(60℃)の3段階に調節できる。
保温材として空気を用いた布団が来年登場するかもしれない。日清紡ホールディングスの全額出資会社、ニッシントーア･岩尾(東京都中央区)が、密閉性のある袋に空気を入れ、それを羽毛と生地で包み込んだ構造の布団を開発した。特許を申請中。来年から発売できるよう改良を急いでいる。羽毛布団が暖かいのは、羽毛の隙間に含まれる空気が、断熱材のような働きをするからだとされている。このため、空気を密閉した袋を中わたと同じ目的で使用すれば、高い保温性を得られる。
行動性体温調節の引き金としての感知メカニズムに関する研究事例、人体表面からの顕熱･潜熱移動分布に関する研究事例、衣服の熱･水分移動特性の評価のためのスキンモデルとサーマルマネキンに関する研究事例、気候に対応した着衣行動に関する研究事例を紹介するとともに、今後の課題について解説する。
快適性･健康分野に関する繊消誌に掲載された研究論文の分野別レビューである。分野は、生理･心理･解剖学的な基礎研究、暑さ寒さと快適性･健康研究、熱中症予防に関連する研究、皮膚感覚･機能性素材等に関する研究、衣服圧と快適性･健康研究である。
イオンリテールは、疲労回復ウェア「トップバリュセレクト・セリアント」の販売を本格化した。同ウェアは13種類の鉱石を練りこんだ「セリアント」を日本企業として初めて使ったもので、赤外線効果により着ているだけで血行促進や疲労回復効果が期待できる。臨床検査でも効果が確認され、一般医療機器として登録した。
ウエアラブルIoT製品メーカーのミツフジは、てんかん発作の予知を目的とした医療用途の多電極心電用シャツの販売を始めた。名古屋大学、東京医科歯科大学、熊本大学と連携してハードウエア、ソフトウエア開発とてんかん患者からのデータ収集を進め、発作10分前から1分前までにアラートを出すシステムの構築を目指す。
富山県小谷部市の繊維関連企業で構成するおやべ繊維ブランド化推進協議会は、同市の特産品であるハトムギの美容･健康機能を生かした商品を開発した。ハトムギから抽出した成分を生地に付着させる方法を工夫し、洗濯50回後も成分を残存させることに成功した。富山大学での実験によって肌アレルギー抑制効果が確認できた。今後はブランド化に力を入れるとともに、同加工を施した製品のネット販売を20年2月より開始する。
熱中症対策として電動ファン(EF)付きウエアの普及が進む中、空冷では対処できない酷暑環境下で効果を発揮する水冷式の身体冷却システム「クーレックス」が注目されている。開発した産業用換気装置メーカーの鎌倉製作所(東京都港区)では、標準型の拡販に加え、顧客要望に応え新製品も投入した。
シキボウは、繊維上のアレル物質を減少させる抗アレル物質加工「アレルオフ」を開発した。繊維上に付着した花粉やダニの死骸･フンなどに由来するアレル物質を捕集し、成分を変性させることで無害な物質に変化させる。ダニとスギ花粉を対象とした実験では、90～80％の低減率を確認した。洗濯50回後でも機能が持続することも確認している。
生産量の減少や高齢化など厳しい環境が続く国内テキスタイル産地で、一方、産地見学ツアーや産地でのイベントに多くの参加者が集まるなど、物作りに対する関心は高まっている。播州織産地と備中･備後産地の取り組みを紹介している。
新卒者を対象とした企業の採用活動が早期化している。学生にとっては、"就活"が早まり、大学3年の夏から始める学生が多い。ファッションビジネス(FB)業界でもインターンシップを大学3年の冬から、夏に早める傾向にある。複数企業による業界研究セミナーなどのプレ採用イベントも、夏から行う事例が増えた。
世界4位の人口と豊富な労働力を持ち、名目GDP18年では東南アジア最大の経済規模を持つインドネシア。日本とかかわりも深く、日系素材メーカーも商社、縫製工場などが多く進出している。中間層の増加で小売市場としての魅力が高まっているが、日本のアパレル、ファッションの普及はまだ道半ばである。
①2019年12月19日(木)10:00～16:00 ②文化学園大学(東京都渋谷区代々木)③講演：人工皮革･合成皮革の構成／ポリウレタン樹脂の組成･物性･劣化と耐久性評価方法④一般社団法人 繊維製品消費科学会 https://www.shohikagaku.com/
①2020年2月21日(金)13:30～17:00 ②奈良女子大学 コラボレーションセンター3階 Z306(奈良市北魚屋東町)③講演：泡の基礎と各種評価機器による起泡力や泡安定性の評価法のご紹介／中性子小角散乱による泡沫の構造解析／泡沫分離による水溶液からの金属除去／心地よい泡のデザインと新しい機能④公益社団法人 日本油化学会 https://jocs.jp/
発行：一般社団法人日本衣料管理協会 会長：小林茂雄／発行人：大谷芳男